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百本の糸

  • erico tsumori
  • 2025年8月15日
  • 読了時間: 2分


『道すがら』を開いて、三ヶ月が経つ。


印刷した百冊が終わろうとしている。


手もとに置けて

気づいたことを調整できて

様子をみながら伴走できる


そんな現実的な理由から、百冊はちょうどよい数でした。


手にしてくださる方は、友人や知人であったとしても

そうでなくても、ふたつとない縁に思えて本当に有り難いものでした。


久しぶりの方とは〈再会〉というよりむしろ、

はじめましてと、古くからの線上に出逢い直すようでした。


手にもつ本は思った以上に重量があり、なるべく郵便局へ持ち込みました。

職員の方と顔馴染みになり、交わす言葉に背景を感じるようになりました。


お隣さんと距離のある町の暮らしに、灯がともる。





封を折り、言葉を添えて、包んで手渡す。

なんてさいわいな日常だろうと、時折り帰り道に涙がこぼれた。

こんな有難さは、何処にでもあるわけではない。


けれど、思い返せば同じことを二十年前もやっていた。

そうか、三十年前もやっていた。

いや、四十年前も。


きっともっと前からずっと、状況がどうあれ

その時、その場で同じことをやっていた。


いつかの記憶は、いま生きていて、

忘れた記憶も、いま生きているんだろう。


自分の意思よりおおきな巡りの中で

みんなそれぞれ、本能のように携えている。


本能という、縦と横の糸を織り合う 自然の理 を携えて。


この百冊を取り巻くいかなる縁も、際限ない織りのうえ。



感謝。



自分には本のことがよくわらずに

寄せていただく言葉を束ねるように、この本を受け取っています。


 





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『道すがら』   play of praying - sounds in silence -


¥2,300(税込・送料込)

発行|2025年5月13日

企画・編集・構成・デザイン|佐伯 剛  津森 絵理子

写真・言葉|津森 絵理子

発行所 かぜたび舎


210mm × 265mm

136 pages(言葉 44ページ・写真 92ページ)


*お問い合わせ等は、こちらのメールアドレスにお願いいたします。


津森絵理子


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A book is born.

Some once told me that making a book is like becoming a bridge.

Not to be defined, but the pleasure of being a bridge.



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